| 高性能フェライト磁石の粒界構造・組成解析・磁区構造観察 |
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利用者氏名:小林義徳 所属:日立金属株式会社磁性材料研究所
利用施設名:名古屋大学、エコトピア科学研究所、超高圧電子顕微鏡施設
利用期間:2009/2/9〜2009/3/31
利用の目的・内容:
分析電子顕微鏡により、高性能フェライト磁石(La-Co置換型Sr、Caフェライト磁石)の粒界相への成分偏析について原子尺度から分析・解析し、酸化物系磁石高性能化のための粒界相組成設計に必要な研究データを蓄積すること
成果の概要:STEM-EDSによりLaCo置換したM型フェライト焼結磁石の焼結体微細組織の観察および粒界相組成を分析した。粒界三重点においてCa,Siが偏析していることが確認された。また、主相粒においてはFe,Co,Laリッチな組成であり、粒界三重点においてはFe,Co,Laがプアな組成であることが確認された。 |
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M型フェライト磁石は、酸化鉄を主成分とするためコストパフォーマンスに優れ、磁石の重量では国内生産の約8割を占めるほど一般的に使われており、自動車の電装用、エアコン・冷蔵庫などの家電製品用のモーターに利用されるなど、我々の生活に密着した分野で重要な役割を果たしている。
近年当社は、Sr系M型フェライト(SrFe12O19)のSr、Feの一部をLa、Coなどで置換することで、非常に磁気特性の高いフェライト磁石の開発に成功した1),2)。
この高性能M型フェライト磁石の物性値向上要因、特に高保磁力(HCJ)化の要因はよくわかっておらず、今後さらなるフェライト磁石の高性能化のための材料設計をする上で、その要因解明が非常に重要となっている。 |
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| LaCo置換CaM型フェライト焼結体試料(焼結助剤としてCaCO3,SiO2を添加した試料)をアイソメットにて切り出した後、マルトーラップにて研磨しカーボンスパッタコーターにてカーボンコーティングを実施した。コーティング後、FIB(加速電圧30kV)にてブロック加工し、0.15μm程度の薄片試料とした。TEM(加速電圧200kV)を用いた明視野像および電子線回折像の観察とEDSにより元素マッピングを実施した。 |
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| 図1にTEM像と電子線回折像を示す。数百nm〜数μmの主相粒と考えられる結晶粒と、粒界三重点が観察された。電子線回折から、主相粒はほぼ同じ方位で存在していることがわかった。図2に粒界三重点近傍をEDSにより元素マッピングした結果を示す。粒界三重点においてCa,Siが偏析していることが確認された。また、主相粒においてはFe,Co,Laリッチな組成であり、粒界三重点においてはFe,Co,Laがプアな組成であることが確認された。 |
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| 高性能フェライト磁石開発に寄与することで、自動車の電装用、エアコン・冷蔵庫などの家電製品用モーターの小型・高性能化に寄与する。 |
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| なし |
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1)緒方、高見、久保田;J.Jpn.soc.Powder
Powder Metallurgy, 50(2003)636
2)小林、細川、尾田、豊田;J.Jpn.soc.Powder
Powder Metallurgy, 55 (2008) 54 |
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